かすまきの世迷言

がんばってかきます。飽きたらやめます。人間だもの。

あけましておめでとうございます!

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

加えて私、カクヨムで小説の執筆を開始致しましたの。

TS×TSジャンルの小説を誰も執筆して下さらないからですわ。

私自身もTS娘×TS娘ジャンルを活気づける一助となればと、如才ながら筆をとった次第で御座いますの。

人助けと思ってどうか、

今年はこちらをよろしくお願い申し上げますわ

TS娘どうしは余談を許さない!〜女の子を演じる悪友が可愛くて困るので俺もやり返します〜(隣ワニ) - カクヨム

こちらをよろしくしたくない!とお思いの方は....きっとTS娘×TS娘ジャンルの小説を既に御執筆なさっているのね!

素敵だわ。きっとエンターテインメントに造詣が深い方で御座いましょう?

私喜んで拝読致しますわ!

 

(追記 そんなこと無かったです。1/10発売の

『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない』が該当してました(大歓喜)私の小説の設定と似ててもう手叩いてましたね。やりたいことほぼ全部わたハズでやってるし、これ読めば私の欲求不満解消できんじゃね?って思ってます。みなさんわたハズ読みましょう!!私も筆を置いてわたハズを信じることにしました!!!!)

・余談

さて、今年もよろしくと形式的な挨拶で書き出した折につけ、一体私は何をよろしくするのだろうか?などと過去記事を漁ってみたところ、2023年には2つしか記事を書いていないじゃありませんか。

(秋頃からカクヨムやなろうにいました.......)

1つは映画アイカツ!中野サンプラザで行われた10周年記念イベント参加を綯い交ぜにしたような記事。

もう1つはなんだかよく分からない酩酊状態で書いた記事です。

 

先日、そんな中野サンプラザに行ってみますと公共の巨大廃墟となっておりました。

華々しく明滅するレーザーライト、胸を打ち心を揺さぶった音響装置、座席の番号にすら一喜一憂し、馬鹿みたいにUOを折って過ごした座席数々....

個々に分解しとして見れば何の変哲もなく味気ない建物ですが、人々の思いによってそれら事物が絶妙に組み合わさり、非日常を演出する志が宿ることで中野サンプラザ中野サンプラザたらしめてきたのです....
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中野サンプラザと聞いてなにを思いますか?

参加したイベントの名前や出会い、経験、感情等等.......様々なことを思い、またそれらはどれ1つとして同じものがないはずです。

このような感慨にふけってみたとき、中野サンプラザは単なる無機質な建物を超越した、言わば思い出に残した異空間のような認識で想起されていることに気づきます。

中野へ赴き、中野サンプラザの建物を見て、思い出を想起すれば、私達はいつでもその異空間へ帰ることが出来ます。

言わば現実世界の中野サンプラザ異空間の中野サンプラザへの転移ゲートのような装置なのです。

また、私や、複数回足を運んだ人にとっての中野サンプラザは、イベントごとに違った風景を想起することでしょう。

これはもちろん、中野サンプラザがイベントに合わせた意匠や設備が施されて視覚的に彩りを変えたから、と無味な言い方も出来ます。

しかしそれら装飾はイベント毎に異なった人々の思いが介在している以上、無味な視覚的観点のみに留めて説明するのは些か不十分で無粋のように感じます。

したがって人とその思いを組み込み、異なる装飾はそれに携わった人々の思いが創った異空間の多様性であり、中野サンプラザはそれらを背負ってきた、と言うほうが広義的で粋な説明になるでしょう。

さて、ここでの中野サンプラザは多数の異空間が重なった状態であり、その様相は各人で異なります。

各人の異空間に対して、現実世界の中野サンプラザの存在が、均衡と整合性を担保するインデックスとして、また、忘却の風化から引き上げるセーブストアの役割を果たすことで、各人の異空間安定性保全を持って存在出来るのです。

 

しかし、中野サンプラザは廃墟であり、今年、取り壊しが決定しています。

あの日あの時私を彩った非日常、確かに私はそこに立っていた。

中野に来て、現在の中野サンプラザ空間的に同じ“ここ”に立てば、あの日あの時の“そこ”に立てる.......異空間へ帰ることが出来る.......。

もうそんなこともできなくなり、思い出に残してきた異空間は風化するのだ.......

..........そんなことを考えて中野へ赴いた私は、寂寥感と思い出を胸に中野サンプラザを眺めて────

 

────ストゼロを空にしました。

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・本題

前置きが長くなってしまい大変恐縮です。

はてさてどうしたものか、酩酊していると詭弁が口をついて出ることがあります。

ここまでブラウザバックすることなく、高速スクロールで読み飛ばして辿り着いた皆様の慧眼に感服いたします。

 

実は本題と銘打ちましたが、本稿で私が言いたい事は既に冒頭で述べているのです。とんだ時間泥棒ですね。

今回の更新は有り体にいえば、挨拶と紹介でございます。

最近趣味でweb小説を読んでおりまして、TS×TSカップリングの少なさに些か不満を覚えます。TS×TSジャンルに目を向ける作家さんが増えて欲しいと思い、丁度カクヨムコンの折、私の連載をご紹介した次第です。

さしあたってTS×TSジャンルの魅力についてここで書き連ねるのは差し控えさせていただきます。

 

さて、昨年を振り返ってみれば............................

.......これと言って特筆すべき事柄は何もありませんでした。

些細な出来事として、東京ガーデンシアターのアイカツ10thライブや、全身麻酔の入院によるアニサマジャージャー、アコスタへの参加、ラブライブ×アイドルマスターの異次元フェスへの参加等等あるのですが…....

些事については割愛させていただきます。

 

新年明けまして昨年を振り返って見たのですが、

一先ず、たった今私にわかったことは、忘年会が不十分だったことくらいでしょうか?ちっとも去年を忘れておりません。

今年はこそ、皆様是非仲良くしてください。たくさん忘年会が出来れば嬉しいです。

 

.......今年もなんだかんだブログよりカクヨムにいる気がします。はたしてカクヨムコンの応募規定10万字まで書き終えることができるのか……

TS娘どうしは余談を許さない!〜女の子を演じる悪友が可愛くて困るので俺もやり返します〜(隣ワニ) - カクヨム

TS×TSジャンルに栄光あれ!

公式と俗世間の暴力に我々オタクは、力(金と支援)で対抗する、手段と能力(二次創作とオマージュ)により昇華する、知恵(解釈と納得)で享受する、このような立場から解決するしかないのだから────

 

(追記 ほぼ解決してました。1/10発売の

『私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない』が解決しました。読みましょう!)

※酩酊して書いたものです※いじめないでください

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満月です!(生きてます)

 

(先日、ブログの更新が途絶えているぞ!との指摘があったが、私のこの無限に続く無為で無粋で無造作な日常において、その労力を費やす費用対効果が果たしてこのブログに存在していただろうか、との疑問が頭を駆け巡りブログの更新が途絶えてしまった次第ことを先に述べておきたい。

指摘に際してはもちろん、その事が口をついて出そうであったが、理屈・屁理屈その他のやっかみについて詳らかに並び立てては淑女として優美さに欠けると思い、無粋と鑑みる鬱屈の凡そについて、手に取っていたモンスターエナジーと共に飲み込んだ。

ところで、前回の私の更新時、アイカツ! 10th STORY 未来へのSTARWAYが公開中であったために、その後私が参加したアイカツ!ライブ各種に関しては後日改めて続編レポートを書き、詳細を綴った更新があるかのような言い回しで締めくくったと記憶しているが、私はここでその後件の続編が更新されなかった件について陳謝したいと思う。

当時、たしかにイベントが終了した段階ではアドレナリンの過剰分泌が作り出す興奮並びに脳裏に焼き付いたサイリウムから引火した高揚感からブログを更新し、また次の機会にでも続編が書ける…そんな気でいたのだ。

頭が覚めきってしまえばそこは中央線。省エネ万歳を謳う私の信条に反する活動的かつ文化的な市民で満員となる。そうやって過ごすうちに更新が途絶え、ライブを通したアイカツ!体験で頭を駆け巡った様々な想像は記憶のなかに追いやられ、ストロングゼロでふやけて使い物にならなくなってしまった。これではもうどうしようもないではないか!

この度は私の力不足で続編が書けず、大変申し訳なく思っている。このような形で、ストロングゼロに浸した頭で更新記事を書くていたらくに陥ってしまっていることについても重ね重ねお詫びしたい所存である。大変申し訳ない。)

 

友達が欲しいよ〜〜!

遊びたいよ〜〜!

みんな楽しそうだよ〜〜

 

 

 

 

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みてみて〜

プリンセス・プリンシパルのプリンセスのコスプレしたよお…

dアニメストアで公開されてるからみんなみるんだよ〜!

みんな アイカツ! 10th Story 未来へのSTARWAY を見よう‪☆ (映画アイカツレポ)

ここに断言する。未だかつて有意義な冬を過ごしたことがないと。

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年が明け、あれよあれよと言う間に世間はその様相を変える。つい先日まで和気あいあいとチキンを貪り聖夜に性夜し少子化対策に明け暮れたと思えば心機一転、振袖姿で新年を祝い、信心深く祈りを捧げ清純派を装うことに努める。そうかと思えば三が日明けて通勤通学、いわゆる通常運転へと目まぐるしくその装いを転じる。

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先に述べた他に、成人式、入学試験、各種事始め等、冬には1年間の総決算というにふさわしい行事がはちきれんばかりに詰まっている。このような人間的成長の機会を多分に含んでいる季節だというのに私はそういった世情から置いてけぼりにされ、独り焦燥に駆られていた。あたたかくぬるま湯のような慈愛に満ちた異世界から逆転生してきた私にとって、この世界の風当たりは冷たく、まして外に出ようものなら冬風も相まって身も心も凍りきってしまうであろう。そうして出来上がったマヌケな氷像は目も当てられない。世界よ!もう少し優しくしてくれてもいいではないか!これではツンデレの塩梅が滅茶苦茶ではないか!シベリア流刑地さながらの凍える環境下にあっては人間的成長などお釈迦様でも不可能である。私は元居たやさしい異世界の作法に則り、冷酷に門扉を閉ざした社会のデレ期到来、冷たい向かい風が止むまでの間、冬眠という戦略的撤退へと打って出た。夢やぶれて布団あり──ああ、やさしい異世界に還りたい……..

だというのに皆、実にエネルギッシュである。この世界の住人はいったい何処に無限とも思える活力発電機関を有しているのか。エネルギー保存則に反する、現代物理学への冒涜である。エネルギー問題が取り沙汰される昨今、もう少し省エネに生きても良いではないか。活力の無駄使いをしていては気力価格の高騰、ハイパーインフレを引き起こし、それによってアルコール充電なしには作動しないヤル気スイッチ、日に日に摩耗し燃費が悪くなる身体、果ては財政破綻が待っているに違いない!!

しかし私も手をこまねいているわけにはいかない。たとえ僅かであったとしてもあまあま♪キュンキュン♡な冬を味わいたい…ここはなんとしても、起死回生の打開策、活力発電機関の発見、巻き返しを図り軽佻浮薄に冬を謳歌するこの惑星の住人へ目に物見せてやるのだ…!捲土重来!捲土重来!!私はこの問題に着手するにあたって、そのとっかかりに一縷の光を見た──

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2023年1月某日、新宿バルト9にて

私は、自らの半生、あるいは半身の歩んだ人生に終止符を打とうとしていた。事の起こりは10年ほど遡及する。当時クソガキだった私の預かり知らぬところでその物語は始まっていた。

そう、アツい、アイドル活動。アイカツが────────

私がアイカツに出会ったのはアニメシリーズ放送の真っ只中、アイカツの歴史が始まって少し日が経ってからであった。当時、私の周囲で友人知人が続けざまにこの作品に浸っていき、漏れなく私もその洗礼を受けた。まず最初に、女児アニメと思えないほど骨の髄まで響く曲の良さに心が動いた。そして作品の随所に込められた様々なメッセージ、切磋琢磨する中で現実と折り合い、ライバルであると同時に仲間である、アイドルというアツい関係性に心酔した。協調性や個性的な他者の尊重、互いに理解し合い成長する青春模様、夢や憧れ、想いを包括した〝バトン〟を託し、そして託され繋がってゆく道──この〝バトン〟を胸に、憧れを道標としながらも、それぞれがそれぞれの在り方を確立しアイドルとして昇華してゆく。美しいではないか。女児アニメと侮るなかれ。こういった、正しく一般教養といって過言ではない「アイカツ」の在り方に魅せられ、私はすぐさま全話を脳裏に焼き付けんと努めたのであった。別時空において私の半身は 「スターライト学園」の門徒となり、いちごちゃん達、延いては作品と共にアイカツしている自分がいるのだ。そう自分に言い聞かせ、私のアイカツは始まり、私の人生の一部となっていった。

ライブイベントやアイカツ筐体を通じた作品との交流を重ねるに連れ、「アイカツ!」で描かれるアイドルのイデア、美しい人間のイデア、それをどう現実に落とし込むか、自助努力によりどこまで近づけ体現していくか、というのが目下の課題となり、いつしかこの難問に立ち向かうことが、“私のアイカツとなった。

善処した。努力はした。しかし結論から言うと今の私は及第点にも至っていない有様だ。実に面目ない。

アイカツという物語が10周年という節目にその軌跡、アニメシリーズの総決算を公開する。私はこれを受けて今一度これまでの人生を反省、いや猛省せねばならない───────私はそう決意し、予告編の僅かな間にダイソン顔負けの吸引力でポップコーンを平らげ固唾を飲んでスクリーンを見守った。

(アイカツのストーリー、そのあらすじについて事細かに書き連ねたいところであるが、諸君らアイカツを嗜む乙女は先に述べたような教養を身につけた上で各々アイカツに励んでいるであろうし、分量の関係上、本項の趣旨から逸脱してしまうのでその詳細についてここで述べるのは差し控えたい。尤も、成熟した乙女であるというにも関わらず未だアイカツ未履修の不届き者がいた場合、早急に全話履修するよう留意されたし。)

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映画はアニメシリーズ最終話後の時系列から始まる。テーマは卒業と未来。アイカツの歴史、その礎となったいちごちゃん達世代がついにスターライト学園を去り、卒業するのだ。卒業記念ライブ、卒業、それに伴ってこれまで歩いてきた道、学園での日々、アイドル活動を振り返り、ひとりひとりまだ知らない未来を考える。スクリーン前には自身と共にあったアイカツとの思い出を想起し、ひとりひとり未来について進む道を選び取っていくソレイユの成長、身辺寂しくなってゆくいちごちゃん達を見送るにつれ、物語に結末が迫る寂しさを実感し、涙する者もいたに違いない。かくいう私もその一人である。10周年、アイカツと共に歩んできた乙女であれば高校卒業から大人になっていく頃合い、各々の歩んできた人生と重ね、エンパシーを感じた者もいたであろう。私は涙を拭うと、スターライト学園とともにアイカツをして歩んできた半身の記憶と半生が走馬灯のように脳裏を駆け巡った……

物語はその5年後についても描かれる。お酒を嗜むまでに成長したいちごちゃん達、それぞれの道はどのような未来となったのか、そして───────

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絶賛公開中の時分、これ以上の詳細を語るのは差し控えたい。是非劇場で見て欲しい。そして「MY STARWAY」とてもいい曲である。アイカツを見て、そして共に歩んできた全ての人へ向けたアイカツ10年の集大成であり、これを受け取った各々のアイカツ人生総決算の時でもある。推してみるべし。是非劇場へ足を運んでいただきたい。

 

こうして映画館を後にした私は幾許かの寂寥感を胸に、また再び、私のアイカツを始めようと決意していた。しばらく劇場に通いながら、私の今までのアイカツ、これからのアイカツに自問自答して、そしてまた歩き出そう。私は数年越しのアイカツの物語に、また勇気をもらった──────

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興奮、感動その他諸々全てがおさまらぬまま、私は中野サンプラザホールへと向かった。向かう先、アイカツだ!アイカツダッシュ!!!

アイカツ!シリーズ10th Thanks Party <4th month>編へ続く?

 

お引越ししたのだ!(ご飯の写真あるよ)

前回の投稿からおよそ1年、私が当ブログ未更新の怠慢を働いている間に何があったかと問われれば、特筆すべき出来事はなにもなく、やむにやまれぬ事情があった訳でも無い。しかしそのことが更新が滞っていた所以にほかならないわけだから、これは戦略的怠慢と言うべきだ。そう私は主張したい。読者諸君も私の上澄みをすくったような唾棄すべき世迷言を読んで貴重な時間を溝に捨てたくはないだろう。

ただ、こうも私的日記帳代わりの当ブログに更新がないとなれば、自分の人生の淡白さをありありと開示しているようで見るに堪えない。御託を並べるのを諦め、私はここ数ヶ月あまりの無意義な日々を反芻して何か無いかと絞り出した。今回は私の引越しについて書こうと思う。読者諸君には世迷言を並べ立てる当ブログの面目躍如にお付き合いいただきたい。

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ここ半年で私を取り巻く環境、有り体に言えば住む土地が変わった。4月初旬、私は数年にわたり居を構えていた愛しの豚骨と辛子明太子のメッカとおさらばし、半ば自棄になりながらスーツケースを引きずって東京へと鞍替えするに至った。

大都会のコンクリートジャングルに身を投じた当初、私名義での住居はなく、歌舞いた某街近辺で約4ヶ月にわたり、およそ居候ともホームレスともいえない健康で文化的な最低限度の生活を下回る生活を繰り広げていた。昼も夜もなく働き日々の憂いを喉を伝うアルコールで洗い流す日々、ド○キとネオンに群がるかぶいた人々、様々な些事が窮屈になった私は自らの住居を持つことを決意するに至るわけだが、この間のこれ以上の詳細は本稿の趣旨を逸脱するため差し控えたい。

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8月某日、本格的に家探しを始めた私は3日間にわたって検討に妥協に内見、そして不動産屋を巡る折々にカロリー吸収を重ね、23区内の住居を手に入れるに至った。愛しの祖国、我らが辛子明太子県と比較すれば家賃相場はおよそ1.5~2倍といった塩梅であった。

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家賃も安く初期費用も抑えたオートロック付の5畳半。最寄り駅からは新宿、渋谷、池袋といった日本のみならず世界屈指の乗車数を誇る駅のある街まで十数分でたどり着く。

しかし街に出てなにをすると言うのだ。恋人いない歴=年齢という限りなく汚名に近いキャリアを日々更新し続けている私が独りで活動的な街に出向けば、終いにはそのハイカロリーさに辟易し苦虫を噛み潰したような顔でヤケ酒に走る顛末が目に見えている。したがって私の引きこもりポリシーは変わらない。つまるところ自宅の五畳半こそが私の全てであり、実際入居以降今に至るまで、用事以外の時間のほとんどをこの静謐な空間で過ごしている。

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(写真は近所のカモ)

 

引越しのため、愛しの辛子明太子県に舞い戻った私はコロナ禍を意識した喉のアルコールガンギマリ消毒の限りを尽くし、食べ納めになるかもしれない味を血潮に刻み込んだ。半ば酩酊状態のまま引越し準備が終わり、この土地との別れを済ませた。

これまでありがとう──────

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五畳半というお世辞にも広いとは言えない空間を支配するにあたってまず私が着手したのは収納空間の確保である。間取りの変化に伴って組み換えできるようなキューブボックスと洋服タンスを買い揃えた後、私は風の噂で耳にしたデスクと本棚付の"人をダメにするベッド"なるベッドフレームを入手し、ベッド上下の収納を確保した。組み立てには時間がかかったが、魔が差して「お姫様になりたい♡願望」が暴走した折に衝動買いしたイケアの天蓋も無用の長物にならず、ベッド前方のデスクと本棚で大抵の些事には事欠かないから、順調にベッドから抜け出せないという堕落の一途を突き進んでいる。

プラズマクラスター機能の着いた空気清浄機は常時電源が入っており、料理をすればセンサーが検知し色を変えて目まぐるしく反応する。我が家のペットさながらの振る舞いであるから、寂しい夜にはよく話しかけている。そして窓の外に鎮座ましましている観葉植物へ寛容さを求め、日々のあれこれをぶつけているのは言うまでもない。

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これまで引越しの類は4回ほど繰り返しているわけだが、なんだか居住空間がどんどん狭まっているような気がする。こういったことを悶々と考えていると、まるで何者かによって私という存在が世界から排斥されようとしているのではないかと思えてくる。こんなことを私は認めない! 断固として認めるわけにはいかない!

楽しい!楽しい!!タノシイッ!!!───

身を粉にして現実逃避に躍起になることこそ運命の神への仕返しに思えて私は武者震いをした────────

ラブライブ!スーパースター! Liella 1stツアー福岡公演2日目にいってきたよ☆

クリスマスイヴ、通称コウノトリ大量発生日たるXデーまであとわずかとなり、軽佻浮薄な夢へ世間が駆け抜ける師走の某日である。私は北九州市小倉ソレイユホールへやって来ていた。

私はこの時期になると、気の置けない友人とクリスマスにパーティーバーレルをつついたり、かれぴとあまあま♡なイヴを過ごしたい! と切望してやきもきしているわけだが、社会的有為な人材となるための重要な布石である"コミュニケーション能力"を取りこぼしてしまったためか、どうにもこれが叶わない。

いつしか私は、"ヲタク"の語源たる「お宅」然とした生活を信条とし、私を構わない現実にそっぽを向けるようになった。日夜どこかじくじくと痛む繊細なハートをなだめすかしながら、私は理想とすべき美しい世界を追い求めるべく、本懐に従順に己のインナーワールド拡張へ専念する。これが私の現状である。こうした他に迎合しない性質が私の孤独へ拍車をかけたのは言うまでもないが、見るに堪えない有り様を晒すことなどできるはずがなく、私はこの体たらくに目を瞑るほかなかった。

年が暮れ、世間が和気あいあいと浮かれているXデーカウントダウン最中であっても、私の信念は揺らがない。いやそれどころか、輪をかけて揺るぎないものとなっている。休日、人恋しさから友人知人恋人と暖を取りあう有形無形のものたちを後ろ目に、私は独り自室にて篭城し、己と虚無感を両の手で抱いてやり過ごす。冬風で凍えるような、まさに今日のような日の私はより一層そうであるのだ。

しかしそんな私が寒い中、なぜ、わざわざ遠出し小倉まで来ているのかというと

ラブライブ!スーパースター!!」のLiellaファーストライブツアー福岡公演に行くためだ。

鬱々たる毎日、サンタさんでもいなくてはやっていられない。電子の海に浸した生活で心無しか目も悪くなってきている気がする。私には目の保養が必要だ。早急にサンタさんを要請し視力回復を願いたいところだが私のサンタさんは毎年の職務怠慢で信用ならない。そんな中私にLiellaライブツアー当選の通知が来た。まさに渡りに船、これならば十二分に目の保養となり、ゆくゆくは視力回復も見込めるだろう。もうサンタさんなど必要ない。私は重い腰を上げライブ会場のある小倉まで出向くことにした。

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会場には予想より早く着いてしまったためにすることがなく、物販に並ぶには少し遅いといった頃合であった。見知ったオタクも見当たらず、私はただただ凍えていた。事前物販なるものでグッズ販売の予約ができたらしいのだが、それを知った時には時すでに遅く、目当ての物品にはSOLD OUTの文字が並んでいた。こんなに暇を持て余すなら、日頃からもっと積極的にオタク的交流をしておいて、連番者を見つけ、2連番で申し込んでおけばよかった....

そもそも今回のイベントは転売対策なのか、参加者全員の"無加工"顔写真登録が必要なのだ。転売や不特定に連番者を募ることはおろか、デートの口実にも使えないのである。私は力及ばず、両日参加が叶わなかった。しかも独り、寂しい限りだ。

だいたい、なぜ我々オタクがそこまで誠実な信者であらねばならんのだ。そんなにピンハネを排し、当選者をCD廃課金者に集約したいというのに、公式が既製品にロゴを添えてグッズと言い張り、ぼったくり価格で売り出しているのはどうなのか!! 私がそう問いただしたくなるのも無理からぬ話だろう。

オタクは試されている。純正カメラで己を見つめ直し、親しい間柄の連番者がいるのか、廃課金も厭わない忠誠心があるのか?と。こんなくだらないことを考えながら近くの公園のベンチで開演を待った。そうして出来上がったのが本記事冒頭というわけである。(何しろ待ち時間はたっぷりあった)

時刻は15時、世迷言を書き連ねるのも煮詰まってきた私は、会場入口へと足を進めた。今回のイベントは私にとって5年振りのイベント参加である。過去にこういったライブイベントは何度も行ったが、顔認証チケットやコロナウイルス禍の無歓声ライブイベントは初体験である。入口に置いてあるカメラへ顔を向けるとぴろんと音が鳴って会場内へ促された。マスク越しでも反応し、チケットチェックすら必要ない。もはや空港の入国審査である。席に着くといよいよ時刻は15時30分、開演時刻だ。どきどきがとまらない!!

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ライブはところどころ短いトイレ休憩時間、もといラブライブ!スーパースター!!本編の微笑ましいアニメ映像を織り交ぜながら進行された。会場は扇形のドデカい体育館、オーケストラホールといった作りで、ステージは上方にスクリーンがあり、曲に応じて電飾がキラキラと光る。三段状になっているステージ上で目まぐるしく現れて消えるLiellaの面々、当たっては消えるスポットライト、オタクから現実感を根こそぎ奪って夢のような3時間へ誘う素晴らしい仕掛けである。

結論から言えば、私は「みんなばかみたいに可愛ええど...」「踊り、衣装、曲、Liellaちゃん、作画がいい。」これら以外の感想を失うほど満悦至極であった。

 

まず、START!! True Dreamsだから僕らは鳴らすんだ!自己紹介と進んだ。各々数多あるツアーの中でもしっかり福岡にあわせたトークを用意しており努力の一端を感じた。明太子を食べたらしい。せっかく遠路はるばる福岡まで来たのだからもっと美味しいものを食べて欲しかったが、福岡県産の明太子が1キロ実家にあるのだとも言っていたし、そういったものは次のツアーでゴリ押しすれば良いのだ。こういうときに無歓声ライブなのがやるせなくなる。コールアンドレスポンスもジェスチャーのみになってしまうのがもどかしい限りだ。Liyuuちゃんも上海から日本にきて間もないながら、しっかりコールアンドレスポンスをしようという気概が愛おしく、後方彼女面に徹して発光しないでいた私も秒速でペンライトを可可カラーへ変えた。皆可愛い。顔がいい。

次に未来予報ハレルヤ!GOING UP1.2.3!アニメ映像(2話・3話)と進む。1.2.3!は楽しい曲だったので飛び跳ねたくてたまらなかったが、よく見えるようにとヒールのある靴できてしまったし、コロナ禍な今日を鑑みれば飛び跳ねるのもはばかられた。

続くTiny Starsバイバイしちゃえば!?常夏☆サンシャイン。ここで衣装チェンジしている。めちゃくちゃ可愛い♡これらは踊りがバカみたいに可愛く、なぜ私も振りコピ勢として予習し、共に踊らなかったのかと悔やんだ。緩急キレのある踊りのなかで機微に移ろう可愛いいい表情!! そして顔がい(ry

もう視覚から伝わる"映像"に現実味がなかった。

そしてPrimaryMemoriesDearsアニメ映像(7話・8話)輝きの先へアニメ映像(8話)Wish Songトーク。「Memories」の間は"百合"が繰り広げられた。私は確かにそれを目撃したし、そう信じる。アニメに沿った'かのちぃ'の再現であり、たとえそういった営業だとしてもそれを信じさせるステージがそこにはあった。「輝きの先へ」のソロパート、ステージを舞うなぎちゃんのバレエダンスに酔いしれたオタクも多いだろう。「Wish Song」ではなんだかコミカルに動くリエラから目が離せなくなりペンライトも振らずに凝立してしまった。「Wish Song」の衣装がめちゃくちゃかっっっっわいいい!!

ノンフィクション!!Day1Dream Rainbow私のSymphonyアニメ映像(12話)Starlight Prologueトーク未来は風のように と最高にリエラちゃんが可愛いゾーンに突入する。キラキラ激しく動くビームライト、輪をかけて小刻みに激しいダンス、ふりふり揺れる髪と衣装、左右に揺れる会場のペンライト、心も体も左右に揺れる私。

なんといってもダンスが激しく可愛い!! リエラちゃんを最高に可愛く引き立てるよう計算されている。ぜんぶ。可愛すぎて振りコピしたい、いや運動音痴で可愛げのない私がコピるのはおこがましい!! なんにしても、とにかく楽しい!!!!「Starlight Prologue」はLiellaメンバーの各立ち位置の延長線上にそって会場がペンライトを変え、ラストサビ前に一斉にオレンジへカラーチェンジをする、、、らしい。さながらμ’sの「Snow Halation」である。知らなかった、、いきなりで焦った。

トークでは幕間にながれたアニメ映像、延いてはライブツアーについて、アツい思い入れが語られた。トイレ休憩とか思ってしまって申し訳ない! 「各パートでこまめにカラーチェンジしてくれたり、トーク中も必死にペンライトでジェスチャーを作り、反応してくれるファンがいる福岡が好き」なのだそう。私も好き。オタクも声を出せず必死なのだ。たしかに、福岡公演が今日で終わることに対し、オタクが一斉にペンライトで「×」を作る様子には笑ってしまった。「ファンが近くて、マスクをしていても表情やグッズのTシャツまでみえる」というから、私ももっとオシャレをしてくれば良かったと後悔した。会場には結ヶ丘女子高等学校のコスプレを着ていた猛者もいるのだという。それはそれで大丈夫か。

最後に、アンコール(Liellaプロジェクト軌跡映像)始まりは君の空Dreaming Energyトークこの街でいまキミと で夢のような3時間が終わった。やっぱり衣装が可愛い!! とくに「始まりは君の空」でジャケットを脱いで可愛い衣装の全貌が解き放たれる瞬間が好き!! そして驚くなかれ、リエラちゃん退場までの間に、私はしっかりと目が合いレスポンスを受け取った。これが「私信」というやつなのだろう。もう"推す"しかないではないか。

"顔が天才"なほど可愛い女の子が、とてつもなく可愛い仕草で踊っている。この「2.5次元」的できらきらした光景を目前で見ることができ、その臨場感を感じることができるというのは、とても素晴らしいものだ。嫌なものばかり目にする現代人の目の保養となるだろう。そして、応援する人がここにいて、楽しんでいるのだと"伝える"ことができる。それが推しへの糧となっているのだと信じ、自分も前を向こうと思うことができる。こういったことが「推し事」というエンターテインメントの本質なのだと思う。トークでLiyuuちゃんは「この一瞬一瞬を覚えていてください!次のとき皆に聞きますからね」と言っていたし"次"があるんでしょ。きっと。オタク諸君も、その時まで頑張ろうね。

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(おしまい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スクロールが勢い余ってわけのわからない画像を目にしてしまった可哀想なオタク諸君、どうぞ私の勢い余ってしまった後日談にお付き合い頂こう。

ライブ終わり、私はリエラちゃんたちの愛らしい姿が脳裏に焼き付いて離れず、その日は過去のライブ映像を眺めながら目を閉じた。冷めやらぬ興奮と襲って来る眠気で半ば朦朧とする頭で何を思ったのか、魔が差した。後日、勢い余って注文したコスプレ衣装だけが私の手元にあった。まさかこんなに早く届くとは。私には'併せ'の予定も撮影の予定もなく、それゆえウィッグセットの気力も無い。だからこれは"地毛"で"着ただけ"の自撮りである。あれだけ「決断は夜ではなく、朝にしましょう」と口酸っぱく言われていたのになぜ私はこうも易々とクローゼットの"飾り物"を増やしてしまうのか。こんな私だからサンタさんは来ないのだろうか。なんだかそんな気がしてならない。トホホ・・・・・

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(限界コスプレオタク、ギャラクシー!)

最近はゲームを買いました。そんなことよりアニメCaligulaを見ぃ!

my new gear.....というわけで私が最近むしゃくしゃして購入した物品の一覧。

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順にCaligula2ポケットモンスターシールド無印良品の寝巻きといったラインナップである。

なにゆえ私がこんなくだらない記事をあげたのか、要するに率直に大方の予想通り平たく所はばからずに正直に言ってしまえば、私の無意義で味気のない日常からなにか絞り出してブログ更新にこぎつけようとしても、せいぜいこんなことしか出てこないというのが関の山なのだ。その結果がこれである。私の繊細なハートは充足感も希望も何もかもが出払って閑古鳥が鳴いている。実に嘆かわしい。もっと中身の詰まったウィットに富んだ記事を寄越せというのなら、なにかそれに足る話題を寄越せと言葉のドッジボールに応じよう。

そういうわけで鬱憤が詰まってぱつんぱつんに弾けんばかりだったので、というか弾けたので、なんだかんだ使い所の定まらないものを軽佻浮薄に買い求めたわけである。私の唾棄すべき日常に起こった進展といえば、Caligulaをクリアしたどうぶつの森チュートリアルであるとたけけ来訪」を終えた、、というくらいのものである。

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私はCaligulaの仮想現実世界「メビウス」で生涯を終えたいと切望していたが、そういった甘えた駄々を含んだ選択肢ばかりを選んでいたら運命の神たるシナリオに引き裂かれ、1度バッドエンドでゲームを終えてしまった。

どうぶつの森では架空の島なのに私に構う住人はみな人語を喋る獣であるから、この島作りスローライフを謳ったゲームが実は人類をケモナーへ引き込む虎の巻なのではないか、と陳腐な妄想が過ぎって寒気がした。そしてtwitterで皆が独創性に富んだ島作りをしていたり、仲の良い友人たちと通信で互いの島を往来してエンジョイしていたりするのを眺めながら、自分の創造性の欠如、やり込みの甘さ、ゲーム上ですら露呈する人望の薄さ、ゲームとはいえそんなことにすら打ち込めないどこまでも中途半端な自分、、そういったなんだか喉の詰まる思いを抱えながら涙目でゲームをプレイする自分を発見して、私はチュートリアルクリアを大幅に遅らせたわけである。

Caligulaしかり、どうぶつの森しかり、こうやって私に構ってくれたり、共に語り合ったり、私を馬鹿にしたり尊敬したりないがしろにしたり好きになったりしてくれる者はみな、電子の向こう側、隔たった一つ下の次元にしか存在しないどうぶつの森にいたっては非現実の夢の島でありながら、そういう相手はもはや人間ですらない。改めて考えてみても実に虚しい。しかしどれだけ嘆いても現実の私の人生は瞬間最大風速を更新し続ける向い風の一方であるし、そのうち吹き飛ばされて妄想世界へと舞い戻ってくるのは目に見えている。とんだぺらいち台本の一人芝居であるが、こういった無意義な日々を送っている隣人はこの星にごまんといて、そういった有象無象によって創作は生み出され、小説やゲームやその他諸々の寂しい創作物が売れ、経済の車輪がぐるぐると回っているのだ。私も一介の消費者でありこの有象無象の車輪の一部である。燻っていて、歪んでいて、無為な生活でなにが悪かろうか。

 

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とはいえCaligulaは大変良い作品である。2018年にサテライトによるアニメ化も成された。アニメ版はキャラクターシナリオへ深入りせず、仮想現実世界「メビウス」を、辛い現実に辟易した人々が逃げ着いた不完全ながらも暫定的ユートピアとして精巧に描いたものとなっている。世界の真実に気づき偽りの理想郷からの"帰宅"を目指す主人公サイド「帰宅部」と、同じく世界の真実に気づいているが「メビウス」の安寧秩序を守ろうとする敵役「学士」サイド、どちらにも共感できる十分な動悸が揃っており視聴者の心を揺さぶる。当然私も揺さぶられた。本当に現実へ帰るべきか葛藤する主人公、終盤回収される伏線、素晴らしいという他ない。是非ともアニメ版Caligulaを見て欲しい。いまの社会、この時代の現実にマッチして、現代の暗い側面にある悶々とした人々の心の問題へ、しっかり向き合った作品だからこそ面白いといえる。見終えたあとはこの作品にあるカタルシスが愛おしく、時間経過や社会の変遷とともに感動が風化するのが残念に感じられるだろう。賢明なオタク諸君らが中身のギチギチに詰まったものを所望するなら、今すぐにこんなくだらないブログを閉じ、アニメCaligulaを見ることをオススメする。その方がずっと良い時間を過ごせるだろう。

そういったわけで、Caligulaシリーズ第1作に繊細なハートをわしずかみにされた私は、ゲーム版Caligulaをクリアした勢いそのままに第2作Caligula2を購入した。無論手っ取り早い現実逃避のために新しい仮想世界を追い求めたのは言うまでもない。人の性根、甘いところはそうそう変わるもんではない。次の私の避難地は「リドゥ」というらしい 。晴れて私は凛々しいピチピチの、今をときめく高校生の乙女だ。現実?外界?そんなものは知らん。インナーワールドに思いを馳せ、「帰宅部」の面々とここ「リドゥ」を巡って奔走するのだ。考えるだけでわくわくする!!!


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amazonCaligula2を買い求めるべく、購買意欲の奴隷となってその密林内を進んでいたとき、魔が差した私はポケットモンスターシールドもカートに入れてしまった。商業戦略に屈服した瞬間であった。世間は"ダイヤモンド・パール リメイク"に湧いており、私もそちらのシリーズへと手が伸びそうになったが、密林ゴリ押しの魔の手を振り解いて出口である購入手続きへ進み、自分なりの戦略的撤退を果たした。もうなにがなんだかわからない。


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かくなる上はポケットモンスターシールドの「ガラル地方」Caligula2の「リドゥ」、このふたつの世界をまたにかけて妄想世界を拡張しようという腹案を実行するしかあるまい。無印良品で寝巻きを買ったのはそのためだ。寝巻きとは妄想宇宙へ飛び立つ宇宙船布団号で着る意識他界系の宇宙服と見つけたり! とくに最近は寒くて外へ出るのもはばかられる。結局、私の身の丈にあっているのはルンルン♪クリスマスデートコーデ♡(笑)なんて日の目を浴びずにホコリを被ってしまうようなきらびやかな装いではない。無機質に燻った色をした寝巻きなのだ。

きたるクリスマス、皆が桃色遊戯に沸き立つXデーに、学問、運動、人望、美貌、全てを取りこぼした丸裸の私独りを見つける羽目になるくらいならば、そんな現実には目を瞑ってやり過ごすのが良いだろう。そしてこの無印良品の寝巻き、いや、妄想宇宙服をまとい、寝落ちしながらゲームをして、仮想世界で充実している白昼夢が見れればなお良い!!

そう願ってやまない・・・・・

そうだ、京都いこう。

このどこかJRのキャッチコピーを思わせるフレーズは私の口から漏れ出た。秋風も吹き肌寒くなった10月の暮れ、私は大阪にて予定が破綻し途方に暮れていた。なにわの粉物も喉を通らず、あてもなく商店街を徘徊しているとき口から漏れた。

そうだ、京都いこう。

調べてみると大阪と京都は京阪電車を使えば距離的にも金銭的にも時間的にも意外と近いのだ。私は着の身着のまま京阪電車に乗り、京都を目指した。

ムシャクシャして行った後悔はしていない....


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これは柿の葉寿司。酢飯の上に魚の切り身が乗っているという簡素なものであるがその味は無類である。京阪電車に揺られていた私は京都舞台の森見登美彦著『四畳半神話大系』をぺらぺらめくり、来るべき京へと士気を高めていた。道中、我らが任天堂元締にも敬礼した。(「どうぶつの森」の島の管理も「カリギュラ」のメビウス攻略も放ったままであったが、この際それは棚に上げておこう)

 

そんなこんなで京都駅、もうすぐ陽も落ちようかという頃合であった。

思えば京都は中学のクソガキ時代以来である。当時は次に京へ赴く際は甘酸っぱいデートコースで〜♡なんて純金製の未来へ想いを馳せたものであったが未だ恋人いない歴=年齢という有様は何故か。責任者に問い質す必要がある。責任者はどこか。

おかげで京の歩き方など心得えがない。とりあえず私は自転車を借りて気の向くままに走らせた。

ただただ街並みを眺めながらあくせく漕いでいるだけではあったが、木造建築の古民家や町屋、時折神社や寺が移ろったりして、そういったものを眺めるだけで結構楽しかった。

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科捜研の女」聖地である京都府警本部、そして京都御所を横切って『四畳半神話大系』聖地である加茂大橋京都大学学部棟付近まできた。陽は落ちきって京都の観光地は閉めきっているようだったので、自転車を返却しバスに乗って京都駅へと舞い戻った。

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疲れた。肉体的にも精神的にも。とくに破綻した大阪の予定で精神的に追い詰められていたのが大きかった。私はそういった考えてもどうしようもない物事をあれこれ考えて涙を流している自分を発見した。通行人の視線が痛い、私は京都駅の駐輪場で独りうずくまって泣いた。すると2人ばかり心配して声をかけてくれた。京都人優しい。京都大好き。もういっそ京都に住みたい!!!

私は一体何をしているのだ、並びにどこへ向かおうとしているのか。なぜこうもやることなすことうまくいかないのだ。私はこうしたやむにやまれぬ思いをエチルアルコールへとぶつけることにした。というか居酒屋以外の店が開いていなかった。はじめての日本酒にも挑戦した。

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お酒は年々弱くなってきており2合とちょっと飲むと適度に酔った。天井のシミを数えていたところ、ホクロのチャーミングな店員さんが店を閉めると言うので会計を済ませ店を出た。近くのコンビニで買ったアル中虎の巻、通称ストロングゼロを片手に行くあてもなく歩いた。ここが人生の辞めどきか、いっそこのまま鴨川で寝て凍死してみようか。そこが私の三途の川と見つけたり。そんなわけの分からない繰り言が頭を過ぎって、気づけば河原町を歩いてた。

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そしてちょうど日をまたいだ頃。

「お姉さん」

見ると好青年である。関西人はあまり人見知りしないのだろうか。

「僕友達とラウワン行こうって言ってたのに置いていかれたんです、酷くないですか!?」

「はぁ、なるほど。」

「そこでお姉さん一緒にラウワン行きませんか!?」

声掛け案件である。

「私男ですし、いろいろご一緒できないと思いますよ?」

語るに落ちた。普段明かしたところで十中八九雑に扱われ始めるから自分では決して言わないようにしていたが、自暴自棄になりアルコールガンギマリなのも相まってぽろっとこぼしてしまった。

「えっ!?それは女から男にってやつですか?」

「いや、普通の性同一性障害です。元男です。」

「顔整ってますね」

「あまり言われたことないですね。でもありがとうございます。」

「これからどこへ行くんです?」

「鴨川で寝るんです。これはさっき買ったストロングゼロです。飲みませんか?」

「僕未成年なので飲めないんです。それでは。」

そういって青年は去って行った。この意気地無し。ナンパするのはいいが、相手が元男だったというだけで手のひら返して忌避しようとする男気の無さでは意中の乙女も君になびくまい。

その後鴨川へやってきたわけだがこれがバカみたいに寒い。そして横になれる場所がない。架橋下のベンチは丸太のようになっておりホームレス排除に積極的な作りになっていた。たいへん遺憾である。以前見たテレビ企画で平均台の上では一夜を越すこともままならないという結果だったのを思い出した。私は鴨川を諦め、商店街のなかに雨風をしのげる一角を見つけてうずくまって泣いた。そのまま空にした酒缶を抱いて寝た。その後通勤客の足音で目を覚まし、近くのネットカフェへ寝床を移した。かくして私は日本酒路上睡眠という2つの"はじめて"を京都で奪われたわけだが、未だ純潔を貫き聖女のまま2日目を迎えたのである。

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京都2日目、私はシャワーを浴び紅茶を飲んで優雅な午後を迎えていた。腰は痛かった。ともあれせっかくだからもう少し京都を見て回ることにした。まずは森見登美彦著『有頂天家族』聖地である下鴨神社である。ここは世界遺産に登録されているらしい歴史深い場所なのだそうだが、コロナウィルスによる渡航制限もあってこの時期の京都にしては観光客も少なくゆったり回れた。

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みずみくじ、大方当たっている。それも悪い方に。下鴨神社参道糺の森を抜けると河合神社がある。河合神社で祀られている神様は日本第一の美麗神ということでこちらにも参拝した。私のようにヘンテコ養殖モノの乙女に女性守護とやらが適応されるのかは分からないが、私は確かに聖女であるし問題なかろう。美少女になれるよう願掛けをして美麗祈願守も買った。今でも鏡の裏に貼ってある。

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その後バスに乗り、八坂神社へ向かった。ここでも世界平和と美少女になれるようにと願掛けを行い、清水の道へと歩を進めた。

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道中、唐辛子を買ったり湯葉揚げを食べたりと修学旅行中の乙女さながらの寄り道っぷりの私ではあったが、夕刻には清水寺へとたどり着いた。夕焼けの綺麗な頃合いであった。こうやって独り黄昏れるのもいいだろう。

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清水からの帰り道で湯葉の店を見つけ入ったが、この日はクソガkもとい修学旅行生達の微笑ましい会食で貸切だというから、私はなくなく湯葉揚げを食べた。それから私も目を閉じ幻のJK時代に舞い戻り、京都修学旅行へと駆り出した。帰りの京都駅行バスでみた白昼夢であった。こうして酸いも甘いも凝縮された京都観光は終わった。また訪れたい。いつの日か。